巣立ち





ねぇ、お願いだからジョージの杖頂だい・・・・」
「やだよ!自分のがあるじゃないか・・・」
「ロンが折っちゃたんだ・・・僕の杖・・・」
「でも・・・僕も大事にしてるんだ・・・」
「ねぇ、お願いだよジョージ・・・」



「一生に一度のお願いだから・・・・」







今年の夏・・・僕らはホグワーツを卒業した・・・・・。




「荷物の用意はできたか、ジョージ?」
二階に上がってきたフレッドが、部屋中に散らばった本や洋服を眺めて溜息をつく・・・
「おい、あした出発なんだぞ・・・片付くのか?」
「大丈夫だよ、後は魔法でトランクに詰め込むさ。」
「早くしろよ、今夜はお別れパーティーだって、みんな買出しに出かけたぞ。」
「へえ、ご馳走なんだな!」

明日、フレッドとジョージはこの家を巣立っていく・・・・

お互いが自分で決めた仕事の為に・・・それぞれが自分の選んだ道を歩く為に・・・

「ノルウェーって寒いんだろ、フレッド?」
「まあな、オーロラが見えるらしいぜ。」
洋服を押しやりフレッドがベッドに腰掛ける。

「ギリシャは暑いのか?」
「地中海だからな・・・・気候はいいんじゃないかな・・・」
「へえ!海水浴ができるな、ジョージ」
他愛のない会話を交わす・・・

「・・・・・18年・・・この部屋で過ごしたんだな・・・・」
部屋を見回し、少し目を細めてフレッドが呟く・・・

「ああ、一緒にな・・・」
生まれた時から共に生きてきた・・・片時も離れることはなかった・・・
ジョージがふたりでつけた柱の傷を見つめる・・・誕生日ごとの背比べ・・・
二つの傷が、今までずれる事はなかった・・・・・

「あしたから・・・別々だな・・・・」

「そうだな、お互い頑張ろうぜジョージ!」

屈託なく笑うフレッドに、ジョージの顔が僅かに曇る。

「意外と平気なんだな・・・・」
「しょうがないさ、俺達はもう大人だし・・・」
「しょうがないのか・・・・・」

違う・・・言いたいことはこんなことじゃない・・・・

本当に、お前は一人で平気なのか?

一緒にいることが、俺達には当たり前のことじゃなかったのか!?

そんなにも、あっけらかんと切り捨てていけるのか・・・・?

ただの思い出に変えてしまえるのか・・・・フレッド・・・

ジョージの手がフレッドの髪に触れる・・・・
「フレッド・・・お願いがあるんだ・・・」
「・・・・なんだい?」

「抱かせてくれ。」

「・・・・・・え!?」

ベッドに放り出した洋服の上から、ジョージの手がネクタイを掴む。

「抱きたいんだ・・・お前を・・・」

「・・・・・・なっ?!」

ジョージが、呆然とするフレッドの手首を掴んでベッドに押し倒す・・・
束ねた手首にネクタイを巻きつけ、ベッドの柵に結わえて拘束した。

「―――っ・・・ジョージッ!!」

フレッドが、自分の体を押さえ付け見下ろしてくるジョージを見つめる・・・
「・・・・ジョージ・・・・」
「抵抗する?・・・フレッド・・・」

ジョークなんかじゃない・・・・本気の目だ・・・・・

「なに考えてんだっ!・・・ジョージ!!」
フレッドが逃れようと身を捩るほど、巻き付けられたネクタイがさらに手首の拘束を強める・・・
「フレッドが・・・・俺を忘れられないようにするんだ・・・」
ジョージがフレッドの体に覆い被さり、その頬に唇を這わせた・・・

「ジョー・・・ん・・・っ!」

頬を辿るジョージの唇がフレッドの唇を覆い、舌を絡め口腔を激しく責めたてる。

そのままシャツの釦を飛ばし、フレッドの衣服を乱していく・・・・

執拗なまでの口づけにフレッドの体が小刻みに震え、
含みきれない唾液が口端を伝い落ちた・・・・

「・・・・・っふ・・・・・んっ!」

ジョージの指が乳首を摘み擦りつける・・・
湧き上がる快感にフレッドの体がびくりと跳ねる。
ようやく離れた唇が今度は鎖骨を伝い、胸元へ移動する・・・・

「―――っ・・・あっ!」

肌蹴た白い胸に色づく乳首に吸い付き、
舌先で転がすように舐め上げ軽く歯を立てる・・・

「くっ・・・・うっ!」

唇を噛み締めてフレッドは声を押し殺し、顔を背けた。
「声聞かせろよ・・・・フレッド・・・」
「・・・・っ・・・ジョージ・・・お前っ・・・・!!」
眉根を寄せて睨みつけるフレッドの髪を指に絡ませ、淋しげにジョージが笑う。
「感じろよ・・・俺を・・・」

お前と同じ顔・・・同じ体じゃないか・・・・

ベルトを抜き取り、ジッパーを下ろしたジョージの指がフレッドのものに触れた。

「――――っああ!・・・・よせっ!!」

敏感な皮膚を擦り上げられるフレッドの体がビクビクと震え、悲痛な声を漏らす。
ジョージはフレッドのペニスに指を這わせながら、その首筋から鎖骨へと唇を滑らせた。
自分の手の中で形を変えるフレッドにジョージが薄く笑う・・・・

「・・・・・感じてるんだ・・・フレッド。」

「くっ!・・・・・・・なんの・・・つもりなんだ!?」

羞恥に目元を染めたフレッドがジョージを見据える。

「・・・・一生に一度のお願いだよ・・・フレッド。」

「・・・・・・・・?」




「ずいぶん長いこと取っておいたけど・・・・」






「一生に一度のお願いだから・・・・」
「しょうがないや・・・あげるよフレッド・・・」
「うわ!ありがと!!ジョージのお願いも聞いてあげるよ・・・」
「一生に一度のお願い・・・?」
「うん!」
「うーん・・・いま別にないや・・・考えとくよ・・・」





「だって、一生に一度だけだもんな・・・」




「・・・ジョージ・・・」

「今・・使うよ・・・あの時の約束。」
「一生に一度のお願いだ・・・・抱かせてくれ・・・」


「ずいぶん俺が損じゃないか・・・おもちゃの杖と・・・これか・・・?」
「13年も預けておいたからな・・・利息がついたんだ・・・」
ジョージとフレッドが見詰め合う・・・18年の時を振り返るかのように。

「ジョージ!腕を解け・・・これじゃ強姦だ!」
不本意だ・・・フレッドがそう言って横を向く。

「いいのか・・・フレッド・・・?」


「いいぜ・・・ヤれよ・・・」
「ただし・・・・・二度目はないぜ!」




同じ顔・・・同じ体が絡み合う・・・・

「イッ!!・・・アアッ・・・手加減・・・しろっ!・・ジョージッ!!」

「無理だ・・・・んっ・・・!!」

ジョージがフレッドの中に自分を埋め込んでいく・・・・・

「アッ!ああっ・・・・っつ・・・!!」

体を繋げても・・・ひとつになれる訳じゃないのは解っている・・・

ただ・・・確かめたかった・・・・

俺達は二人で一人じゃない・・・・

お互いが・・・一人づつなんだと・・・・






「はっ・・・フレッド・・・!!」
「うっ・・・アッアア!!・・・あっ!」
ジョージが嗚咽を漏らすフレッドの唇を、慰めるように舐めていく・・・
「つらいか・・・?・・・ごめんな・・・フレッド・・・」
「は・・・・っ!・・・お前の方が・・・・つらそうだ・・・ぜ・・」

フレッドの手が、ジョージの頭を抱き寄せ自分の唇を重ね合わせる・・・

「ジョージと・・・一緒にいたからこそ・・・・俺は俺でいられたんだ・・・・」

「・・・・そうだな・・・俺も俺だった・・・・・」

ほかの奴らに見分けがつかない俺たちの違いを・・・・・
一番解っていたのは・・・結局、俺たち自身なんだ・・・・・

・・・・当たり前のことだよな・・・・




「動けよ・・・・ジョージ・・・」

「・・・・途中で止まらないぜ・・・・」

「ああ・・・・」

フレッドの体を抱き締めるジョージの腕に力が篭もる・・・・・

「・・・っつ・・・フレッドッ!!」

「アッ・・・アアッ!ああっ―――――ァァァ!!」






 鏡を見る度・・・思い出すさ・・・

 見なきゃ思い出さないのかよ・・・・

 ククッ!・・・例えだよ・・・ジョージ・・・

 笑うなよ・・・・!!

 なあ・・・ギリシャで、でかい花火あげろよな・・・・

 ・・・ノルウェーまで見えるヤツをあげてやるぜ・・・・










 元気でな・・・・・もう一人の俺・・・・







 ・・・・・・ああ






END





『3535』のキリ番を申告頂いた
七瀬陸弥様 に慎んで捧げさせて頂きます。
ありがとうございました!

一生に一度だけの関係です
一度だけだからこそ忘れられない・・・
そんなとこでしょうか・・・・?
ジョフレは書きたかったのですが
結局こんなもんになってしまいました!
お許し下さいませ・・・・・



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カザミドリ様のサイト『紅い薔薇』で
キリ番を踏んで頂きましたvv
実はキリ番踏んだのこの時が初めてでした。
なんてラッキーな私vv
ふたりの旅立ちに泣けました(;_;)
特に最後の「花火」のとこのセリフ!
切ないけれど大人になっていくために必要な別れですね。
萌えシーンにもメロメロvvv
カザミドリさん、素敵なジョフレありがとうございました!vv
また踏みたいです〜!!