Vice Versa

 

 

・・・似た者同士だ、そう思わないか?

セブルス・スネイプは寝台の上に起き直り、虚空を睨んでいた。
闇の中にあの白い手が浮かぶ。



・・・君が相手ならもう一度人を信じられる・・・

細い指がまるで手招きしているかのように動く。
固く目を閉じて、幻影を振り払う。



・・・寂しさだけを埋め合わせないか?

耳元で囁かれ続けているかのように、奴の言葉が離れない。
果てしなく優しい愛撫、そしてそれに溺れ、喘いでいた自分。
いったい―――。


 

+ + + + + + + + + + + + + + + + + + + + +




満月がようやく地平線に隠れる頃、スネイプは黒いローブを羽織って地下の自室を出た。
廊下に灯された蝋燭も燃え尽きて、ただ真っ暗な闇の中を物慣れた様子で進む。
躊躇いがちにドアノブを回し、後ろ手で静かに扉を閉めた。



こそりとも音を立てずに奥の寝台に近づく。
微かな寝息を立てているその身体を確認すると何故か安堵の溜息が漏れた。そして苛立つ。
・・・認めたくはない。
傷つき、老いてゆく哀れな獣。  ただそれだけ、の存在 ・・・なのに。



一糸纏わずぐったりと横たわる白い身体は、弱々しい月光を受けて一層青白く見えた。
こちら側に向けられた背中には無数の古傷が浮いている。
人差し指で肩下の深い切り傷をなぞってみる。
傷痕がなければそれこそ絹のようになめらかな肌なのに。指先に吸い付いてくるようだ。
そういえば、在学中は何人もがちらりと見るだけで、この肌の虜になったと聞いている。



ある男の顔が脳裏を過った。
スネイプの口元が歪み、不敵な笑いが浮かぶ。
彼がかつて渇望し、所有を願った筈の肉体が、今この手の内にある。
よるべのない雛鳥が親を探すかのように、向こうの方からまっしぐらに飛び込んできた。たとえ魂はこもっていないとしても。
・・・彼は永遠に捨て去ったのだろうか。このケダモノを。



君となら・・・


ルーピンの哀しげな呟きが離れない。
我輩を篭絡するための計算だったのか。
それとも。



この白い肌に、自分の痕跡を残したい。
あの男が姿を現す前に。
スネイプはふいに激しい欲望に駆られた。
寝台に浅く腰掛けて屈みこみ、一番深そうな古傷に唇をつける。
そのまま傷痕を辿りながら、脇腹を掌で撫で上げ、胸へと手を伸ばす。



「セブ・・・ルス?」
夢の続きを見ているような声には答えず、胸の飾りを指の腹で軽く撫でると、
それは待ち受けていたかのように立ち上がり、痛いくらいにスネイプの指を弾き返す。



いつも薬品の材料を扱っているせいで、スネイプの指先はささくれ立っている。
時折微かなひっかかりを残しながら、骨ばった大きな手が浮き上がった肋骨をなぞり、腰を撫でる。
元々変身後に抵抗する程の力が残っているわけもないと踏んではいたが、
ルーピンは素直に身体の力を抜いて体重を預けてきた。
両手を細い胴に廻し、片手で胸を、もう片手を太股へと這わせる。
「・・・・っ」
内股をゆっくり撫で上げ、根元に触れるぎりぎりのところで手を止めた。
重みを感じないその身体は微かな指の動きにいちいち反応して、躾の良さが感じられる。
腿の柔らかい部分を軽く抓ると身体が弓なりに反り返り、細い足がびくんと突っ張った。
これはもう・・・火を見るより明らかだった。



「商売上は仕掛ける技術も必要だったのかもしれないが」
再び太股を撫でたのち、痩せた硬い尻へと指を伸ばす。
「基本的には受け身、だったのだな? 最初の男が教えたのだろう、ブラックが。」



ルーピンは答えない。
爪で乳首を引掻き、手荒に捻ってやる。
「・・・は、ふ・・・」
上がる息に駆り立てられる自分を、スネイプはもう認めざるを得なかった。



もどかしくローブを脱ぎ捨てると、ルーピンを抱え込んでその背中に密着した。
スネイプとて体格がいいとはいえないが、両手の中にその身体はすっぽりと収まる。
少し力をこめてかき抱けば、白い肉体が微かに震えた。



首筋に歯を立ててそのまま囁く。
「貴様を哀れんでやるに過ぎないからな。」
そのまま耳朶を甘噛すれば、刺激が強かったのか吐息の音がはっきりと聞こえる。
いかにも飼い慣らされたらしい、感度のよい体はすぐに熱を帯びてきた。
これでフィフティー・フィフティーだ。



あの夜、ルーピンから受けた愛撫の数々が甦る。
技巧から察するに、相当長い間日の当らない稼業を続けていたのだろう。
あの男を信じた自分への罰だと信じて・・・?



熱っぽさで紅く染まった唇が求めるかのように開いていたが、スネイプはそれに目もくれず、いきなり秘所に長い指を押し込んだ。 突然の異物感にルーピンの顔が歪む。 本能的に排出しようとしているようだが、かえって咥えこむに過ぎない。
「随分と淫らな身体だな。」
くすりと嗤うと、スネイプは一旦指を抜き、自分の舌で湿してから再びずぶりと挿入した。
「あ・・・ッ!」
のけぞる身体をしっかり捉え、激しく掻き回す。
逃がすものか。
焼印よりもくっきりと刻み込んでやる。


ルーピンの中心は固く立ち上がり、先端には透明な液体が、まるで花弁が朝露を宿しているかのように光っている。
そこには手をつけずに、後ろに指を増やした。
「んっ、駄目だ、セブルス・・・」
「駄目なわけはないだろう、そんな声が出せるのだからな」
人差し指で窄まろうとする入り口付近を刺激しながら、中指でさらに奥を目指す。
あの夜の感覚を・・・貴様にも味わってもらおうか。
内壁の襞を丹念に擦っていき、「そこ」を探す。
第二関節が完全に中に潜り込み、根元まですっぽり入ろうかという状態になった時、ルーピンが甲高い音を発した。
「掠めたか?」
指先にまだ残る湿り気を利用して、滑らせ、そして突く。
「ああーーっ、い、イイ・・・」
「あられもない姿だな、ルーピン。教師ともあろう者がこんなに淫猥だとは恐れ入る。」
顔は見えないが、さぞや恍惚の表情を浮かべているのだろう。
3本揃えて激しく突けば、苦悶か歓喜か、呻き声が一際大きくなる。 この手の動き一つで、こうまでも乱れる淫獣。思うがままに蹂躙してやる。
自分の手の内にある間は・・・。



するりと指を抜き、間髪いれずに自分のものを埋め込んだ。
十分に広げてはおいたが、やはり狭い通路を切り開かなくてはならないことに変わりはなく、ぬめっとした熱い感触がスネイプを包み込む。
そんな感覚に囚われまいとするように最奥まで一気に入れてから一呼吸置き、そして激しく突き動かした。
絶対に容赦はしない。すぐに昇天させてやる・・・。



「ああァ・・・・・・・・あ・・・!」
白濁とした液を吐き出すルーピンをスネイプはしっかりと抱いていた。





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ルーピン・・・。
スネイプは大鍋をかき混ぜる手をふと止めた。


今ごろ、奴はどこかでブラックと落ち合い、共に暮らしていることだろう。点々と逃避行を続けながら。
忍びの屋敷で二人が抱き合う姿を見た時、感じたのは怒り・・・ではない。
―――結局奴にはうまく利用された。そんな自分を嘲りこそすれ、奴への恨みは不思議となかった。
ある意味、フェアな取引をしたからかもしれない。


ルーピン・・・しばらくはブラックと安穏と過ごせばよい。
12年間の奴の生活を思えば、そのくらいのささやかな幸せは許してやろう。
ブラックは絶対にこの手でディメンターに引き渡す。
その日まではルーピン、貴様に穏やかな日々を贈ってやろう。



再びかき混ぜ始めた大鍋は暗褐色から暗緑色へとその色を変えた。
煙が立ち昇り、妖しい泡が鍋の中に浮かぶ。
これが、自分にとっての確実な世界。誰にも乱されることのない・・・。


スネイプはただ無心に鍋に向かっていた。





- fin-


may様との共同企画・リーセブ祭りに、さらに汚点を残すセブリー。ははは、お許しを・・・;
ハイ、今回は先生の負け。
なんだか、セブルス言葉責め上手いかも。(笑)
あくまで鬼畜としての立場をとりたいのです、セブルスは。いえ、とらなくてはいけないと思っているのです。復讐でもあるのですから。だからキスもしないし、顔を真正面から見ることも中心を触ることもしないのです。わっかるかな〜、微妙なこだわり。微妙すぎたかな・・・。(汗)
しかし、最近隣に人がいようが堂々とエロを書き、通勤電車内でもメモとれるようになってきたぜ・・・お姐さんてば。

この作品は「セブリー」と日夜耳元で叫び続けてくれた、七瀬様へ捧げましょう。(笑)


completed 01/12/21



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『le passage』のあくしあ様から頂きましたvv
囁き続けた私の呪い(笑)の甲斐あって、図々しくも頂けることにv
セブの言葉責めがっっ(
萌)vv
感度抜群(笑)のリーマスの色気に目眩がしました(>_<)
やっぱりセブリーいいわぁvv
あくしあさん、ありがとうございます!!