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『ラビューラビューキスミーヒア』
P4より
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「ゆーきむらー」
返事がなかったのでそっとドアを押し開けて中に入ると、窓際のカーテンが風に翻るのが目に映った。後ろ手にドアを閉め、ゆっくりとベッドへと近付く。
そこに目を閉じて静かに横たわる姿を見つけて、一瞬体が強張った。癖のある黒髪がかかる額も頬も透き通るように白く、綺麗に並んだ睫毛が淡い影を落としている。
ブン太は急速に冷たくなった指先をぎゅっと握りしめながら枕元へと歩み寄ると、屈むようにして彼の顔へ耳を寄せた。
「……」
規則正しい呼吸音が、ブン太の耳に滑り込んだ。
よく見ると薄い掛布団の下の胸がゆっくりと上下しているのもわかった。
思わずその場に座り込みそうになるほどの深い安堵の想いが湧き上がり、胸を押さえながらブン太は詰めていた息を深々と吐き出す。今度はゆっくりと吸うと、凍えていた肺に空気が流れ込んでくるのを感じた。
馬鹿なことを考えてしまった自分を罵りつつも、次にまた眠っている幸村を見たら同じ事をしてしまうだろうと確信していた。
安堵しながらも完全には拭いきれない恐怖が体の奥にまだ横たわっているのを感じて唇を噛む。しばらくそのまま静かな寝顔を見つめた後、乱れた前髪の隙間からのぞく滑らかな額にそっと口付けた。目を覚ます気配はなく、微かな呼気がブン太の耳に届いた。
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