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『MELTDOWN』
P6より
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「あ、えっと…やっぱりもうちょっとだけここにいようか。温かいし」
ああ何て薄っぺらい声なんだろう。
司馬君の耳を独占しているあの歌声の持ち主の足下にも及ばないに違いない。
本当の言葉なんてどこにもない。
僕が言いたいことなんて本当はそんなことじゃ全然ないんだ。
再び頷いて腰を下ろした司馬君のすぐ隣に身を寄せ、その肩に頭を乗せた。
もちろん司馬君は嫌がったりなんかしない。
何でもないようによく晴れた空を見上げている。
僕の頬をくすぐる蒼い髪が胸の奥までサワサワと撫でていく。
それは抜けるような青い空よりもずっとずっと深く蒼く、何て残酷な色なんだろうと思う。
司馬君は優しい。
だから僕はこんなにも苦しくてこんなにも情けなくてどうにかなりそうなんだ。
今だってこうして一緒に昼食を食べようと誘って誰もいない屋上へ連れ出してくっついて座って肩に頭を預けることができるのは僕しかいないだなんて誰にそんなことが言える?
僕と司馬君がいつも一緒にいるかのように思っている人はたくさんいるけれど、そんなのは全部僕の努力の産物だ。
全部、僕の。
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