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words panic
着ていた上着をソファーへと放り投げると、そのまま小綺麗に片付いている部屋を横切る。
「冴木さんがメシ作ってくれてる間に一局打とうぜ、伊角さん」
勝手知ったる何とやら、といった具合で和谷は冴木の部屋の隅に置いてあった碁盤を持ち出し
て来てその前に座った。呆れたように肩をすくめた冴木がコートを脱いでいる伊角にハンガーを
手渡す。
それを掛け終えた伊角が向かい側に座るのを待ってから碁笥に伸ばした和谷の手を、伊角が素
早く押し止めた。
「駄目だ」
あっさりとそう告げられ、そのまま碁盤を取り去られてしまった。
「おまえはこっち」
碁盤を脇に寄せた伊角がバッグの中をガサゴソとあさり、取り出した何かを「はい」と差し出
してきた。
薄い本のようなそれを訝しく思いつつ受け取る。
「何これ」
「見ての通り。問題集だよ」
さすがにそんなことくらい見ればわかる。
表紙にはデカデカと『これで完璧!四字熟語』の文字が踊っている。
「だから何で──」
「何でって、おまえがやる為に決まってるだろう」
当然だ、と言わんばかりの面持ちで伊角が答えた。
先程ここへ来る途中に、買うものがあるからと本屋に寄ったのはこれのことだったらしい。
「何でイマサラ問題集なんてやらなきゃなんないんだよ伊角さん。俺もう学生じゃないんだぜ?」
「そういう台詞はな、最低限の一般常識を身につけてから言え」
ビシッと指差しながら伊角がきっぱりと言い切った。
こういう時の彼はさすがに弟が2人いるだけあって、急に「兄」らしくなる。
でもそんな説教臭い顔もまた可愛いよな、と思ってしまう自分はたぶんもうどうしようもない。
突き付けられた白い指に触れたいという衝動に駆られたが、何とか踏み止まった。
ちらりと視線を横へと流すと、壁にもたれて腕組みをした冴木が笑いを噛み殺しながら和谷た
ちのやり取りを見守っている姿が見えた。完全におもしろがっている。
くそ、と思いながら和谷は視線を戻した。
とりあえず今更勉強なんて冗談じゃない。
何とか逃れなくては、と目の前の真面目くさった顔に向き直った。
「最低限の一般常識くらい俺にだってあるぜ」
「和谷。おまえな、自分の言動をよーく思い返してみろよ」
「え、何? 俺、何かした?」
「……今日、俺が『本当にアイツには何を言っても馬耳東風だな』って言ったとき、おまえ何て
言った?」
「ええーと……」
「『マジ豆腐? 何ソレ』だ」
そう言うと伊角は額を押さえて深々と溜息を漏らした。
それと同時に冴木がプッと噴き出し、肩を震わす。
「あ、あれはその…たまたま知らなかっただけで…」
「たまたま? じゃあこの前俺が『異口同音』って言ったときは何って言った?」
「ええと…その…」
「『は? 肉うどん?』、だ!」
今にも机を叩きそうな勢いで伊角がそう言った。
冴木に至っては、あははと声を出して笑い出していた。
「そんなこと言ったっけ?」
「記憶力にまで問題があるのか?」
「な、何でそんなに怒ってんだよ、伊角さん」
「怒ってるんじゃない。呆れてるんだ!」
眉を顰めて和谷の方へと身体を乗り出してくる。思わずキスしてやろうかと思ったが、そんな
ことをしたら口をきいてくれなくなるどころかまたもや半径5m以内立ち入り禁止令をくらいそう
なので、我慢することにする。
「それくらい知らない奴なんていっぱいいるって。その…ナントカ豆腐、とか」
まだ笑っている冴木の方へと首を巡らせ、
「な、冴木さん? 冴木さんだってホントは知らないんだろ?」
「──和谷。メシ、おまえだけベランダで食いたいんだな?」
「…冗談です」
なまじ顔が良いだけに真顔で言われるとやたらと恐い。
わかっていればいいんだ、と頷いた冴木の顔にはすぐにまた笑みが戻ったが、さっきの目は本
気だったような気がしてならなかった。
この寒空の下でベランダに出されたりしたら堪らないので慌てて視線を逸らす。
「とにかく和谷。おまえはメシの準備ができるまではここで勉強してろ。食い終わった後にテス
トするからな」
「テストォ?」
伊角の無情な宣告に思わず情けない声が出た。
高校進学を免れた今、はっきり言って二度と味わいたくないシロモノである。
だがそんな和谷には目もくれずに伊角はさっさと問題集を捲ってテスト範囲とやらを決めてし
まった。
「合格点にいかなかったらペナルティな」
「ペ、ペナルティ!?」
まさかもう触らせてくれないとか今日この後和谷の家に泊まりに来るのを中止するとか言い出
すつもりなのだろうか、と青ざめた和谷に、伊角が厳かに告げた。
「合格するまでおまえとは碁は打たない」
「あ、なんだ」
思わずホッと胸を撫で下ろすと、怪訝そうな視線が向けられた。
一拍ほど遅れてやっと重大なことを告げられたということに気がついて飛び上がった。
「え! え! 何それ!」
「もう決定。苦情は受け付けません」
喚く和谷に、伊角が舌を出して小憎らしく言い放つ。
本当にこの場でキスしてやろうか。
そう思った瞬間、別の方角から声がかかった。
「伊角だけじゃないぞ。俺も打たないからな」
「ちょっ、冴木さんまで!」
「ほら和谷。それが嫌だったらしっかり勉強しろよ。冴木さん、俺もメシ作るの手伝います」
立ち上がった伊角を恨ましげに見遣ったが、あっさりと無視されてしまった。
何でこんな目にあっているのだろうか。
今日は三人で碁の勉強会をするつもりで冴木の家にやって来たというのに、今必死になってやっ
ているのは勉強は勉強でも四字熟語のそれである。
だがこのままでは二人が対局しているのを見ていることしかできなくなってしまうので、和谷
は思いきりふて腐れながらも問題集と格闘していた。
「こんなの憶えらんねぇよ」
見ているだけで頭が痛くなってくる。
しかも。
「伊角、こっちでいいか?」
「あ、十分です。ありがとうございます」
ちらりと視線を上げると、伊角がいそいそとエプロンを身につけていた。
その隣には当然、冴木の姿が。
「うわ、冴木さんそれすっごい似合いますね」
ギャルソン風のエプロンを付けた冴木は確かにムカツクくらいサマになっていた。
何でそんなものを持っているんだ、と訝しく思ったそばからその答えが浮かんできて馬鹿馬鹿
しくなった。伊角に渡された標準タイプのエプロンだって色は青系だがいかにも女の子が好んで
買いそうな可愛らしいチェック柄である。
だが冴木が誰から何を貰おうがそんなことはどうでもいいことで。
「そうか? 伊角こそ似合ってるぜ、それ。可愛いよ」
「か、可愛くなんかないですよ」
さっと頬を赤らめた伊角がエプロンを握りしめて口を尖らせた。
シャープペンシルの芯がポキッと折れる。
「……」
何だ、今のは。
確かにこのエプロン姿の伊角の可愛さといったら一瞬で心拍数を跳ね上げさせるものだったが。
可愛いよ、などと女の子なら意識を飛ばしてしまいそうな笑みでさらりと述べるなんて。
冴木を眺める和谷の目がすっかり据わっていた。
前からこと伊角に関しては最も油断がならないと思っていたのだ。このやたらと見栄えの良い
兄弟子は。
それにあんな反応をする伊角も伊角である。何なのだあの表情は。自分だったら確実にキスま
でには及んでいた。自覚が無いにも程がある。
手元の問題集に書き込んでいた文字が大きく欄外にはみ出していた。
おまけに「一石三鳥」になっている。落としすぎである。
石があったら数メートル先の偽ギャルソンに投げてやりたいところだったが、ペナルティが脳
裏にちらついて頭を振った。
だめだ。気を取られている場合ではない。
何とか集中しようと本を握りしめた。
意識が前方に向かないよう、ブツブツと声に出して読み上げながら頁を繰っていく。
「伊角、ヒモが変なふうになってる。ちょっと後ろ向いて」
「あ、すみません」
落ち着け。
触るのはヒモだけだ。
並んだ漢字を呪文のように呟きながら、和谷は思わず投げ捨てそうになった問題集を何とか持
ち直した。
「伊角って意外と不器用なのな」
「そんなことないですよ!」
プ、と笑う冴木。
拗ねたような声を返す伊角。
「じゃあ、もう一回結んでみろよ」
「いいですよ。……あれ…」
「ククク、ほら」
「…見られてるからやりづらいだけですよ!」
 illustration by HIBANA KUSAKA sama : Various fever
文字が震える。
昼食の準備をしているというよりも、単にいちゃいちゃしているだけのように感じるのは気の
せいだろうか。
ようやくエプロンを着け終えた二人がキッチンに入ったようで、声がほんの少しだけくぐもっ
て聞こえるようになった。
姿が見えなくなった分、集中できるどころか余計に気になって仕方がない。
第一、あんな狭い所に二人でいること自体許し難い。
和谷は限界まで耳をそばだてつつ、手を動かした。
流れてくる笑い声がやけに楽しそうで、口元に引きつった笑みが浮かぶ。
「上手いですね冴木さん」
「そうか? 自炊、長いからな。料理も嫌いじゃないし」
「すごいですよ。尊敬しちゃうなぁ。俺も和谷も全然ダメだから」
どう考えても俺の方が伊角さんよりは遥かにましだろ、と心の中でいらぬツッコミを入れる。
「尊敬しちゃうなぁ」などと言ってもらった記憶はもちろん無かったが。
「少なくともその手付きを見る限り謙遜じゃないってことが良くわかるよ」
冴木の笑い声と、続く伊角のブーイング。
見えなくても伊角が頬を染めて口を尖らせている姿がはっきりと浮かんだ。
やはり許し難い。ものすごく許し難い。
シャープペンシルを持つ手が震えた。
頭の中を四字熟語が素通りしていく。
ペナルティ。何て憎い言葉なのだろうか。
和谷は歯ぎしりしながら震える手で頁をめくった。
「わかった、わかった。怒るなよ。そうだ、今度またウチに来ればいいよ。簡単なやつから教え
てやるからさ」
「え、ホントに!? お願いします、ぜひ!」
──出たなこの囲碁四段タラシ八段め…!
シャープペンシルの芯が再びポキッと折れた。
くそ、伊角さんもあんな嬉しそうな声出しやがって!
ペナルティという言葉が和谷の頭の中から吹き飛んだ。
このままあの狭い空間に二人にしておいたらまずい。料理が出来上がるころにはマンツーマン
初心者料理教室年間スケジュール表くらい出来上がっていかねない。
ついに勉強を放棄して和谷が立ち上がりかけたその時、
「痛っ…!」
「伊角!?」
耳に飛び込んできた声に、手に持っていた問題集とシャープペンシルを放り投げた。
「伊角さんっ!?」
弾かれたように立ち上がり、慌ててキッチンへと駆け込む。
「伊角さん、どう……!!」
和谷の身体が固まった。
「よかった、浅いよ」
安堵の表情を浮かべた冴木が溜息と共に伊角に微笑みかけた。
「…すみません、驚かせてしまって」
しゅん、と伊角が項垂れる。
冴木の手が握っている伊角の白い指には短い赤い線が入っていた。
「あ、和谷。ごめん、ちょっと包丁で切っちゃっただけ……和谷?」
「どうした?」
二人の怪訝そうな声が脳を素通りしていく。
「な…な……」
震える指で、まだ離されずにいる伊角の手を指し示した。
「な?」
「おーい、和谷?」
「…な…なめ…」
──舐めやがったこの男……!!!
伊角の、指を。
和谷の頭の中では最初に目に映った光景がぐるぐると回っていた。
駆け込んで来たちょうどその時、伊角の指には冴木の唇が寄せられていたのだ。
目眩がして口をパクパクさせるだけで声が続かない。
そんな和谷を見た冴木が、ほんの少しだけ口元を綻ばせたような気がした。
「ちょうど良かった、和谷。薬箱の場所分かるだろ? こっちは俺がやるから向こうで手当てし
てやって」
何事もなかったように言われ、よろよろとキッチンを出た和谷は半ば機械的に薬箱を取りに向
かった。
何てことだ。
脳裏にくっきりと焼き付いてしまった光景に、和谷の足がもつれる。
「大丈夫か、和谷? 足でもしびれたのか?」
後ろからついてきた伊角の声に振り返った。
呑気なその声に、急に意識が引っぱり戻される。
「…そもそも伊角さんも悪い。自覚って単語知ってる? 教えてやろうか?」
「な、なんで怒ってるんだよ、和谷」
声の低さにか、それともよほど凄い顔をしていたのかはわからなかったが、伊角がたじろぎな
がら訊ねてきた。
エプロンの裾を握りしめてオロオロするその姿は──思わず怒りを忘れ、一瞬で跳ね上がった
鼓動が早鐘を打つ。
反則だ。何なのだ、この可愛いさは。
次々と強いられた忍耐のせいで磨耗していた神経の糸がプツッと弾け飛んだ。
「…!」
腕を掴んで強く引き寄せ、唇を塞ぐ。
抗議の声を呑みこむように、後ろ髪に指を差し入れて更に深く口付けた。
和谷の胸を押し返そうとして手を上げた拍子に伊角がバランスを崩し、そのまま二人は縺れる
ようにして倒れ込む。
薬箱が倒れ、開いた蓋からパラパラと中身が床にこぼれた。
「和…バ…ッ!」
酸素を求めて胸を上下させながら伊角が喘ぐ。
和谷は手をついて身体を浮かせると、自分のすぐ下にある姿を眺めた。
エプロンのヒモが片方の肩からずれ落ち、乱れた漆黒の髪を頬に散らせた伊角が荒い呼吸を繰
り返している。
ドキリ。
心臓が大きな音をたてるのと同時に逆らい難い波に呑まれ、和谷は再び唇を落とした。
「──どうかしたのか?」
「!!」
突如キッチンからかかった声に、二人は弾かれたように飛び起きた。
──つもりだったが、床についた手を滑らせた伊角の頭は元の場所へと逆戻りし、鈍い音を響
かせる。
「…っ…」
「い、伊角さん大丈夫?」
後頭部を押さえながら伊角が和谷を睨み上げた。
その涙の滲んだ瞳を見てまたクラリとしそうになったが、さすがに押し止める。
幸いにも冴木は声をかけてきただけでキッチンからは顔を出さなかった。
ホッと胸を撫で下ろした二人の鼻を、美味しそうな香りがくすぐる。
「もうすぐだから、もうちょっと待ってろよー」
再びキッチンから投げられた声に、「はーい」と引きつった声を揃えて答えた。
答え終わるのと同時に伊角がプイッと横を向く。
「…あのー…その…伊角さん、」
恐る恐る声をかけると、無言の一睨みが返ってきた。
「ええと…でも、伊角さんだって悪いんだぜ?」
「……俺の何が悪いって?」
伊角の地を這うような声に再び怯む。
「や、その…エプロンとか、冴木さんとか、」
「エプロン? 冴木さん?」
「それに指…って、あ! 指、大丈夫!?」
そういえば、と本人もすっかり忘れていたらしく、緩慢な動作で手を見遣った。
「あ」
「あ!」
伊角の呑気な声と、和谷の悲痛な声が重なる。
白い指に浮かび上がる、深紅の水滴。
「傷開いちゃったな。おまえがヘンなことするか…」
伊角の言葉が途切れた。
その指に思わず寄せてしまった唇を離すと、軽く見張った瞳にぶつかった。
口内に鉄の味が滲む。
それすら何となく甘いように感じてしまう自分は。本当に。
「忘れててごめん。痛い?」
床に転がっている絆創膏の箱を引き寄せながら訊ねると、見張られていた伊角の瞳に驚きとは
異なる色が浮かんだ。
何かを発見した子供のように輝いたそれに、一抹の不安が過る。
和谷の嫌な予感は、ひどく楽しそうな伊角の一言によって見事に的中したことを知らされた。
「和谷、冴木さんと間接キス」
「……」
どうしてくれようか、この男は。
ふふふ、とほくそ笑むこの可愛い顔を、今夜は絶対泣かしてやろうと和谷は無言のまま心に誓っ
た。
深々と漏らした溜息が白い吐息となって夜気に溶け込む。
「雪でも降りそうだな」
「……」
「なにふて腐れてんだよ、和谷」
言いながらもクスクスと笑う伊角の吐く息も白い。
「…だってさ、ちょっと酷いと思わねぇ?」
「憶えないおまえが悪いんだろ」
ふて腐れるな、というのも無理な話である。
ムカつくくらい美味しかった冴木の手料理を腹いっぱい食べた後、本当に行われたのだ。四字
熟語のテストとやらが。
そしてペナルティまでも。
結局、伊角と冴木の対局を見ているだけで一度も打たせてもらえなかったのだから文句の一つ
や二つこぼしたくなるというものである。
本当にこのままずっとテストに合格するまで打たせてくれないのだろうか、と項垂れた和谷の
頭を、優しい手が掻き回した。
「帰ったら一局打とうぜ」
え、と顔を上げると、伊角が片目を瞑った。
「特別ペナルティ解除。手当てしてもらったしな」
人さし指に絆創膏がちょこんと巻かれた手がヒラヒラと振られる。
街灯に照らされたその白い手は、何だか少し痛々しく映った。
思わず手を伸ばそうとしたら、その指で額を弾かれた。
「イテッ」
「そのかわり今度ヒト様の家であんなことしたらもう二度と打ってやらないからな」
「ヒトの家じゃなかったらしていい…アイタッ」
「返事は?」
「──はい。ごめんなさい」
額をさすりながら答えると、「よし、それでいい」と満足気に伊角が頷いた。
くそ、後で見てろよ。
冴木の家でした無言の誓いを再び心の中で繰り返す。
「…伊角さんが可愛いからいけないんだからな」
呟いた一足早い言い訳は伊角の耳には届かなかったようで、
「ペナルティは解除でも勉強は憶えるまで続けてもらうからな」
そう宣言した伊角は、一人で口元を綻ばせている和谷を怪訝そうに見遣った。
遅い朝食を食べ終えた和谷が、バッグからのぞいていた問題集を抜き取った。
パラパラと見るともなしにそれを捲る。
最初の数ページには、昨日の心の葛藤がはっきりと記されていた。欄外で踊る文字や解読不明
な文字等々。
ふと、ペ−ジを繰る和谷の手が止まった。
「──伊角さん、昨日これ触った?」
「いや」
まだ気だるそうにパンを齧っていた伊角がぼんやりとした顔で瞬きをした。
「その本がどうかしたのか?」
「あ、いや、何でもない」
やはり。
予想通りの答えに、和谷の顔が引きつった。
一縷の望みをかけて訊いてみただけだったが、瞬時に玉砕されてしまった。
伊角でないのなら当然あの人しかいない。本当は文字を見た瞬間分かってはいたのだが。
伊角に気づかれないように注意しながら、先程手を止めたページをそっと開いた。
練習問題が並んでいるその横にいつの間にか書き加えられている文字の、見覚えのある筆跡。
「──やっぱりあなどれねぇな…」
伊角には秘密にしておかなくては。
和谷はバッグから消しゴムを取り出すと、伊角がパンにバターを塗っているすきに急いでその
問11を消し去った。
問11・今後の目標のこと。
解答:理性強化
fin.
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| *問11は解答だけでなく問題自体も誰かさんの直筆です。よって正しい解答はありません(笑) |
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15000hitを踏んで下さった柏木様から、『初Hを乗り越えるワヤスミ』または『冴木さんが伊角さんにちょっかい出して、焦る和谷』という腐女子心をくすぐりまくりなリクエストをいただきました!vv
迷った末、後者を選択v
一枚上手な光二さん。そしてそんな冴木にバレバレな二人。伊角さんだけはバレていないと信じ続けそうですが。冴木はね、和谷で楽しみながらも本当はちょっと悔しいわけですよ!(サエスミ推奨)。伊角さんはね、アホなわけですよ!(笑)
柏木様、お待たせした上にこんなワンパターンな(ホントにな…)話ですみません〜;伊角さんまた頭打ってるし。しかも焦る和谷っていうよりアホな和谷…。あわわ;
よろしければ捧げさせて下さいませv
リクエストありがとうございましたvv
(2002.12.16)
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そして、なななんと!Various feber の日下ヒバナ様がイメ−ジ絵を描いて下さいました…!!ちょっとこの二人どうしましょう!?(≧∇≦)vv ヒバナさんのエプロンサエスミ素晴らしすぎ!!!ウギャ〜vvもう私、見た瞬間興奮しすぎて倒れるかと思いました。犯罪です。ハァハァ。ヒバナさん、萌え死に必至のサエスミをありがとうございました〜!!vv
(2003.03.20) |
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